プロジェクターを使用する場所の明るさや投影したい画面サイズによって、必要な「ルーメン」の数値が変わってきます。
この記事では「ルーメン」とは何か、「ルーメン」と「ANSIルーメン」の違いは何か、明るい場所で必要な「ルーメン」数の目安などを解説します。
ルーメンとはプロジェクターの明るさを表す単位
プロジェクターの明るさを表す単位である「ルーメン」。この数値が高いほど、プロジェクターから出る光が明るくなります。
「ルーメン(lumen)」はラテン語で「昼光」を意味する語が起源となっています。
人名から付けられた名称ではないので、単位として記号で表す際は、全て小文字で「lm」と書かれます。
「ルーメン」はプロジェクターの光源から出力された光の明るさを表した数値となります。
実際に投影された映像の明るさは、端に行くほど暗くなるなど、部分により異なってきます。
ホームプロジェクターでは100~3000ルーメンほどの製品が多く、学校やビジネス用などで使用されるものでは、2000ルーメン以上の製品が多く見られます。
ルーメン値が上がると本体価格も比例して高価になっていく傾向にあります。
プロジェクターを使用する環境(明るい場所か暗い場所か)や、投影する画面サイズによって必要な明るさは変わってくるので、必要に合わせた製品を選ぶ事が重要となります。
「ルーメン」で表される明るさはメーカーによって異なる
例えば、同じ3000ルーメン表記でもメーカーが異なれば明るさは異なってきます。検討しているプロジェクターメーカーのホームページにある使用シーン毎の推奨ルーメン値表を参考にされると良いでしょう。
把握しやすいように、使用場所の変化の種類が多いビジネスプロジェクターで、必要ルーメン数の比較をしてみます。
設置広さ | E社 | C社 | N社 |
---|---|---|---|
小会議室 | 3,200lm | 3,000lm | 3,000lm~4,000ml |
中会議室 | 3,600lm | 3,000~5,000lm | 4,000lm~5,000lm |
講堂など | 4,200lm | 6,000lm以上 | 7,000lm~10,000lm |
上記の表は、各メーカーの自社製品のルーメン数での使用環境ごとの推奨値となります。
同じ広さでの使用でも、各メーカーで推奨するルーメン数に違いがある事がわかります。
ルーメンとANSIルーメンの違い
「ANSIルーメン」とは
「ANSIルーメン(読み方:アンシルーメン)」とは、アメリカ国家規格協会(The American National Standards Institute=イニシャルを取ってANSI)が定めたルーメン規格。算出方法が定まっているので、メーカーが異なったとしても明るさは同じになり、正確な比較が可能な数値と言えます。
「ANSIルーメン」の算出方法
投写するスクリーンや壁などの面を縦横3区画づつの9分割に分け、9面全ての中心部の明るさを計測し、平均照度(lx・ルクス)を算出。算出されたルクスに投写面の面積(㎡・平方メートル)をかけた値がANSIルーメン値になります。
- ルーメン → 光源の明るさ
- ANSIルーメン → 投影面の明るさ
ANSIルーメンの数値は、実際に目にする投影面の明るさをきちんと表している数値なので、よりプロジェクター選びの参考になります。
ANSIルーメンも数値が大きくなるほど明るさが増すので、数値の大きいものを選べば、明るい場所でも見やすい映像となります。
ルーメン、ANSIルーメンと「CVIAルーメン」の違い
「CVIAルーメン」(China Video Industry Associationの略)は、中国で2023年春に新たに定められた、プロジェクターの明るさの規格になります。測定方法は、ANSIルーメンでの測定方法と同じく、9分割した画面で、各中央の値を計測して算出されます。
CVIAルーメンでは、測定方法に加え、出荷時に仕様通りの明るさが出ているかどうかのクリア率の規定など、様々な項目が厳格化されています。
他の基準同様、数値が大きいほうが、より映像が明るくなります。
基準が異なるので〇ルーメン=〇ANSIルーメンと換算はできない
算出基準が異なる数値なので、「ルーメン」は「ルーメン」同士、「ANSIルーメン」は「ANSIルーメン」同士での比較のみ有効と言えます。そして、「ルーメン」はメーカー毎に異なる明るさなのでメーカー内での比較が正確なものとなります。
同様に、「CVIAルーメン」も評価基準が異なるので、同じ基準内での比較が有効となり、数値のみで「ルーメン」や「ANSIルーメン」との比較はできません。
昼間や明るい場所にはルーメン値の高いプロジェクターを
プロジェクターは光を投影して映像を映すので、明るい場所では見えづらくなってしまいます。明るい場所でもくっきりとした映像を見るには、「ルーメン」、「ANSIルーメン」の数値が高い製品を選びましょう。
夜間の使用が多い、カーテンを閉めたり照明を落とすなど、暗めの部屋で投影できる場合はルーメン値は高くなくても問題ありません。
投影画面サイズが大きい場合もルーメン値の高いプロジェクターを
実際に投影したい画面サイズも、必要なルーメン数を考える際に重要です。映す面積が広くなると、その分光の分散も大きくなるので、ルーメン値の高いプロジェクターが必要になります。
Aladdin X2 Plus(アラジン エックス 2 プラス)は900ANSIルーメン
照明一体型の3in1プロジェクター「Aladdin X2 Plus(アラジン エックス 2 プラス)」は、900ANSIルーメンで明るく鮮明な画像を投影します。現在、市場で購入可能なホームプロジェクターでANSIルーメン表記の製品を見てみると、100~1000ANSIルーメンのものが多い状況です。
中には更にANSIルーメン数が高い製品もありますが、家庭でよく投影される画面サイズ(40~120インチ付近)と本体価格を考えた際に必要な数値かは検討が必要です。
「Aladdin X2 Plus(アラジン エックス 2 プラス)」の900ANSIルーメンという明るさは、暗い場所ではもちろん、明るい場所での使用でも活躍しています。
様々なシーン、様々な間取りでの例をご覧ください。
照明(LEDシーリングライト)として使用する際の明るさは3800~4300ルーメン
「Aladdin X2 Plus(アラジン エックス 2 プラス)」のLEDシーリングライトとしての明るさは、広さ | ~8畳 |
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明るさ | デフォルト3800ルーメン 最大4300ルーメン 無段階調光 |
一般社団法人日本照明工業会の提示するLED照明器具の摘要畳数を満たしているルーメン数となっていて、快適な明るさを提供しています。
出典:一般社団法人日本照明工業会「LED照明器具の適用畳数について」