プロジェクター購入前に知っておきたい種類と違い

2020.01.13

自宅にいながら、映画鑑賞やスポーツ観戦、大画面でのゲームなど、迫力ある映像が楽しめるプロジェクター。しかし、目的や用途に応じて多様な機種があるため、どれを選んだらいいかわからない人もいるでしょう。

そこで、購入前に必ず知っておきたい、プロジェクターの種類や性能の違いについてご紹介します。

 

プロジェクターの3つの設置方法

 

プロジェクターは、設置方法の違いで大きく3つの種類に分類できます。

 

卓上型

 

卓上型は、机の上や棚などに設置して使うタイプのプロジェクターです。卓上型プロジェクターというとビジネス用途を思い浮かべますが、最近は家庭で使える小型で安価なタイプも豊富に登場しています。持ち運びが可能なため、さまざまな場所で大画面映像を楽しむことが可能です。プロジェクター初心者が入門編として導入するのも良いでしょう。

卓上型プロジェクターは簡単に動かせるため、画面の位置や角度がずれてしまいがちで、度々調整しなければならないところは注意が必要です。

 

天井吊り下げ型

 

置き場所を取らないのが、天井吊り下げ型のプロジェクターです。天吊り型とも呼ばれ、投影する場所の正面の壁や天井に取りつけて利用します。プロジェクターには電源とケーブル類の配線が必要なので、希望の場所に設置できない場合があるほか、金具やワイヤーで固定するため、専門の業者でないと設置が難しいことがあります。場合によっては、壁や天井の補強が必要になることもあるでしょう。

設置は多少面倒ですが、一度設置してしまえば特に調整の必要なく利用可能な点がメリットです。

 

照明一体型

 

卓上型と天井吊り下げ型の両方のメリットを享受できるのが、照明一体型です。ポップインアラジンは世界初の照明一体型プロジェクターで、引掛シーリングがあれば簡単に設置することができます。電源は引掛シーリングから直接供給されるので、配線や電源ケーブルの問題で悩む必要もありません。

注意点としては、照明と一体化しているため、自分の好きなデザインの照明器具が使えない点が挙げられます。

 

画質に影響するパネルタイプ

 

プロジェクターは、機械内部の「パネル」に作られた映像を、投射レンズで拡大してスクリーンに映し出しています。そのため、パネルの違いは画質に大きく影響します。

現在販売されているプロジェクターには、主に3種類のパネルタイプがあります。

 

液晶(透過型3LCD方式)

 

液晶プロジェクターはさまざまなメーカーから販売されていて、プロジェクターとしては一般的です。比較的安価で、軽量なことが特徴です。

液晶光源から出た光を、赤・緑・青(光の三原色)に分解し、それぞれに液晶パネルを1枚ずつ割り当てて透過させ、プリズムで再合成して投射します。液晶パネルを3枚使って透過させることから、透過型3LCD方式とも呼ばれています。

 

なお、プロジェクターの画像の明るさを表す場合、白の明るさが基準となっていますが、液晶プロジェクターの場合、白もカラーも同じ明るさとなります。色の再現度が高く、部屋を完全に遮光するのが難しい環境でも映像が見やすいでしょう。

ただし、映像の黒い部分が灰色っぽく見える傾向があり、映像が引き締まって見えないという声もあります。また、液晶プロジェクターは、以前は経年劣化で画像が黄色掛かるという問題がありました。最近はかなり耐久性が上がっていますが、テレビ代わりにずっとつけっぱなしにするような使い方はあまり向かないかもしれません。

 

DLP方式

 

DLP方式プロジェクターは、DMDと呼ばれる微細な鏡に光をあて、反射光を別のレンズで拡大して投射します。液晶プロジェクターと同様に、さまざまなメーカーから販売されています。軽量化・小型化でき、ポケットサイズのプロジェクターにはDLP方式が使われています。

 

DLP方式プロジェクターは映像が細切れにならず、スムーズな映像が特徴です。また、コントラストがはっきりした画像が得意で、メリハリのある画像が楽しめるでしょう。ほこりなどの影響を受けず、経年劣化しにくいという特徴もあります。

DLP方式の場合、安価なモデルではレインボーノイズ(カラーブレイキングノイズ)が出ることがあるようです。レインボーノイズは本来の映像にはない虹のような残像を指し、目が疲れたり、細かい字幕などが見えにくかったりします。

 

LCOS(反射型液晶方式)

 

LCOSは液晶の一種で、光を赤、緑、青に分解し、反射型LCDパネルで各色の映像を作った後、プロジェクター内で合成して1組のレンズから投射します。滑らかな印象の映像に仕上がるほか、高解像度で採用されることが多い方式です。

構造が複雑な分、プロジェクター本体のサイズが大きくなり、採用されている機種も限定されている点や、価格が高い点などが特徴として挙げられます。

 

プロジェクターの明るさとコントラスト比について

 

プロジェクターを選ぶ際は、機能の違いについて理解することも大切ですが、投影環境との相性という視点も重要です。ここでは、投影環境の違いによるプロジェクター選びのポイントを解説します。

 

ホームプロジェクターに必要な明るさ

 

スマートフォンを使って写真撮影をしていると、晴天のときには画面が確認しづらくなります。これは、プロジェクターの場合も同様で、明るい部屋では外光による減衰が発生します。

プロジェクターの明るさを表す単位はルーメン(lm)で、値が大きいほど明るいことを表しています。遮光が十分ではない部屋では、ルーメンの高いプロジェクターが良いでしょう。明るい部屋でも利用したいなら2,000lm以上をおすすめしますが、一般的には700~2,000lmあれば十分とされています。

 

スクリーンの有無によって必要な明るさは異なる

 

プロジェクターは、映像を投影できる凹凸のない白い壁があれば、必ずしもスクリーンは必要ありません。しかし、スクリーンを設置するか否かによって、プロジェクターに求められる明るさは異なります。

スクリーンは、映像の投影を目的として作られているため、プロジェクターの明るさを損なうことなく映像を写し出してくれます。一方、壁などに投影する場合には、光が全角度に分散反射するだけではなく、壁面の凹凸などにより光の減衰が起きます。そのため、スクリーンを使用しない場合は、明るさが1ランク高いプロジェクターを選んで、光の減衰対策をしておく必要があります。

 

好みの映像を実現するコントラスト比を考える

 

コントラスト比とは、映像の中で最も明るい白(最大輝度)と、最も暗い黒の明るさ(最小輝度)の比率のことです。コントラスト比が高いほど明暗の差が大きく、鮮明でくっきりした画面になります。

ただし、あまりにコントラスト比が高いと、人によっては画面がギラついて強烈すぎるという印象を持つ場合もあるようです。プロジェクターの価格が上がるにつれて、コントラスト比も上がる傾向がありますが、家庭用のプロジェクターのコントラスト比は、10,000:1程度を目安と考えると良いでしょう。

 

プロジェクターと接続方法について

 

卓上型などのプロジェクターは、DVDプレーヤーが一体型になったモデルも販売されていますが、多くのプロジェクターはDVDプレーヤーやパソコン、ゲーム機といった再生機と、接続ケーブルでつないで映像を投影します。プロジェクターを選ぶときは、使いたい再生機にある端子がつながるか確認しましょう。

 

一般的なのは、HDMI端子を使った接続です。多くの再生機についていて、映像と音楽の両方を流すことができます。パソコンとの接続はUSB端子も利用できますが、パソコンにプロジェクターのドライバーをインストールする手間があり、パソコンの性能に映像の品質が左右される点に注意が必要です。少し古い再生機であれば、VGA端子やRCA端子を利用することもあります。

 

なお、あまりに接続ケーブルの長さが長くなると、映像データがプロジェクターに届かない場合があります。プロジェクターと再生機の距離が離れている場合は、ワイヤレスで接続できる機能を持ったプロジェクターがおすすめです。

 

画像の補正機能について

 

プロジェクターから画像を投影する場合、スクリーンや壁に向かって正面から映すのが基本です。しかし、家庭では置き場所に限りがあるため、正面に設置できない場合もあります。そうした場合は、斜め方向から投影しても自動で補正してくれる、補正機能を搭載した機種を選択すると良いでしょう。

補正機能が搭載されたプロジェクターなら、台形ゆがみを自動的に補正してくれるので、置き場所を選ばずに使えます。さらに、セッティング時に微調整する手間も省けて便利です。

 

補正機能には上下だけ補正するタイプと、横方向のゆがみにも対応できるタイプの2つがあります。購入の際は、設置場所との兼ね合いで適したタイプを選択してください。

 

家庭用のプロジェクターとして注目を集めるポップインアラジン

 

ホームシアターを実現する上で、プロジェクター購入の予算と置き場所が大きな壁になるのではないでしょうか。このような悩みを解決するプロジェクターがポップインアラジンです。シーリングライトにプロジェクターとスピーカーが搭載されていて、引掛シーリングに取りつけるだけでホームシアターが実現できます。

再生機の映像を投影することはもちろん、テレビや録画した番組を観ることも可能で、「YouTube」や「Netflix」「Amazonプライム・ビデオ」といった映像サービスも利用できます。オリジナルコンテンツも豊富で、さまざまな楽しみ方ができるでしょう。

 

目的に合わせたプロジェクターを選ぼう

 

プロジェクターは数多くの種類が販売されていて、どれを選ぶべきか迷ってしまいます。なんとなく購入したら、置き場所に困る、家にある再生機と接続できない、思っていたような映像が投影されない…ということがあるかもしれません。

家のどこにプロジェクターを設置するか、どんな映像を観たいのかなど、よく検討した上で最適なプロジェクターを選びましょう。


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